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『賃金・価格・利潤』のレジュメを製本しました
第4回講座に寄せられた感想
Aさん
私達労働者階級と資本家階級の対立を規定している根本、 『賃金・価格・利潤』をくわしく学ぶことは、とても重要なことと思い出席しています。
労働力が商品として売り買いされる、資本家が好き勝手に使用することへの、一人の人間 としての尊厳、いきどおりを覚えます。
レジュメP15 資本家の利潤=資本家の「労働」に対する報酬。労働者と基本的に異なるのか。そこに 搾取が存在しない。やはりまったく立場が違うと思います。
賃金はどう決るのか。労働時間の闘い。 労働時間の短縮を闘い取った時、資本家の利潤が減少し資本主義は成立しなくなるのか?
この体制を労働運動を中心に闘っていく時、どう闘うのか。
賃金、労働時間の要求をしつつ、体制の変革が究極的目的とする、そこを労働者民衆にど う伝えるか…。
Bさん
- 今回はめずらしく予習をしてきたので講師からの提起が以前より頭に入って、つ いていけた様な気がする。
-
剰余価値の仕組を理解することが出来たと思う。
労働者が革命の問題に飛躍するカギは、賃金制度そのものの廃止という事を、労 働組合の闘いとしても行うことによってかちとることにあるように思えた。労 働組合としては闘争と学習が必要!
Cさん
ウェストンの様な主張をする人は、かなり多いのではないかと思います。労働者を取り巻 く現状については理解しながら、決っして労働者の階級性に依拠しない姿勢。特に「公正 で平等な賃金」はその最たるものだと考えます。
以前、派遣会社を通じて工場で働いていた時のことですが、最初に所属した派遣会社が撤 退し、別の派遣会社が参入したことがありました。労働条件が切り下げられました。「あ なたのやっている仕事は時給900円の価値しかないんだから当然でしょ?」と言われ、 「いくら頑張っても1時間に900円しか価値を生み出せない劣等労働者」であるかの様に、 労働者を資本家は見ているのだと感じました。この時ほど怒ったことはありません。
「労組なき社会」をつくろうとしている資本家の攻撃の中で、労働組合はもう一度、賃金 闘争に取り組むことの重要性を訴えた方がいいと思います。近年、春闘も活気がなくなっ ている様に見えます。労働者の力を取り戻すという意味でも、日常的に経済闘争も意識し ながら労働者を組織していくことが重要であると思いました。
Dさん
労働力までも商品にされてしまっている資本主義的生産様式は、社会全体を支配している。 労働力は人間そのものに宿る力です。それを商品として売買することこそ、資本主義的生産 の矛盾です。労働者は富の直接的生産者です。しかし労働力を資本に売るこによってしか 生存を許されない。この階級関係こそ、あらゆる支配の根源です。だから労働者はこの現 実を打ち破る使命を負っているのです。革命の主体として新しい社会を建設することがで きるのです。
Eさん
労働者家族にとって、賃金の問題が最重要。少しでも多くの賃金をもらえるよう学歴のた めに塾に行って必死に勉強したり、職場で賃金を巡って労使、あるいは労働者間に様々な 問題が起きたりするし、あるいは賃上げ、一時金闘争が職場の団結の形成に最も効果的だっ たりもする。労働者の思いとしては「働いた分をきちんと払ってほしい」「能力や 努力を評価してほしい」といもの。
生活費のため、子どもの教育のため、老後のため、十分な賃金をもらうことを望みそのた めにがんばっている。
その賃金というものそのものが、資本家が労働者から搾取するためのシステムとして存在 している。資本主義であるかぎり階級が存在し、労働は奴隷労働なのだということ。
このことを、賃金のために必死に働いている労働者にどう伝え、資本主義についてどう考え てもらうか。職業、賃金、雇用形態などの分断を打ち破る階級的決起のための核心的部分 が賃金の問題だと思います。
Fさん
賃金とは何か、賃金制度とは何かを正しく理解することが重要だと思いました。資本主義 社会では労働者は生産手段を持っていないので、「労働力」を売って賃金を得なければ生 きていけません。そして資本家は労働者から「労働力」を買って働かせ、利潤を得ていま す。この事実を覆い隠すのが資本主義です。
私も『賃金・価格・利潤』などの学習会に参加するまで、賃金は働いたことに対する報酬 だと思っていました。賃金は労働力の再生産費であることを押さえると、「公正で平等な賃 金」が幻想だと思います。
第4回講座 マルクス『賃金・価格・利潤』(2)を行いました
9月25日(土)に第4回講座として マルクス『賃金・価格・利潤』全3回の第2回目の講座を行いました。 第1回の「マルクスのウェストン批判=賃金闘争否定論・労働組合有害論」に続いて今回は、資本主義の経済法則の科学的解明の核心点(賃労働と資本の基本関係=賃金労働者と資本〔家〕の非和解的敵対関係)について学びました。その中心軸は、労働者が生み出す剰余価値を資本家が何の対価も支払わずに手に入れる基本的な仕組み(階級的搾取関係)と、その「真実の関係」である階級的搾取関係を覆い隠す形態が賃金という形態だということ。次回のテーマでもある、「賃金闘争=経済闘争と労働組合は労働者階級の全面解放のテコとなる」ということを基礎づける資本主義の経済的土台の基本を学ぶ講座となりました。
第3回講座に寄せられた感想
Aさん
- 「賃金闘争はすべきではい」とか「労働組合」を否定するウェ ストンを今現在ナンセンスと一言で言うのはたやすい。
- しかし、上記の様な思想、考え方がまじめに語られ、通用している状況の中、これ を分析し、批判しぬくことによって、労働者の解放論を作っていったマルクス−マルクス 主義に改めて感動した。
- 科学的解明ー個人的にはにがてな側面で、ずっとにげてきたよう思うが、反省!!
Bさん
色々難しい単語も多くて分りにくいこともありますが、労働者には闘う権利などない、 言いなりでいることが、最善(資本家にとって)とする資本主義の上に今の社会はあり、闘 争や変革していくことで勝ち取るということ自体を否定してきたのだというのは、認識し ないといけないと思いました。
Cさん
『賃金・価格・利潤』の前半、ウェストンの「生産物の額は固定」「賃金の額は固定」と いう前提は、討論でも言われていた通り、現在では考えがたいものでなかなかギロン難し いところと、いぜんから思っていました。
今回の講座を受けて、ウェストンが制度改革論者であるというところが重要だと思いまし た。現在でも、労働問題を政策問題として議会主義へと回収するあり方はよくみられると ころであるし、個別的な職場闘争が果たして効果をもつのか(関生の生コン業界全体をまき こんでの闘いはこうした闘いに基づく)、個々の労働者の闘いをどうまとめあげるのか、と いう問題は、こうした制度改革論との対決はさけられないことだと思うからです。
今回、そしておそらく次回は価値論の問題の内容になるかとは思いますが、こうした制度 改革論との対決として『賃金・価格・利潤』を読みかえしていきたいと思います。
第3回講座を行いました
次回講座は『賃金・価格・利潤』第2回目で「剰余価値の生産—その仕組みと資本と労働の対立関係」を行います。次回講座の案内ビラは以下からダウンロードが出来ます。
第3回講座の再度の会場変更のお知らせ
第3回講座の要項
- マルクス『賃金・価格・利潤』を学ぶ 第1回
- 会場 : 東区民文化センター・大会議室(3F)
- 8月28日(土) 15時開場、15時半開始
- 講師 : 高橋専任講師
第3回講座の会場が変更となりました
新しい会場
- 東区地域福祉センター 4階「ボランティア研修室」
- 会場の詳細
第3回講座の要項
- マルクス『賃金・価格・利潤』を学ぶ 第1回
- 会場 : 東区地域福祉センター4階・ボランティア研修室
- 8月28日(土) 15時開場、15時半開始
- 講師 : 高橋専任講師
映画「あなたは蜘蛛を見たことがありますか」を見ての感想
討論より
【A】
初めて見た感想で、日本の労働運動と決定的に違うなという所をちょっと何点か、個人的な感想ですけど述べたいと思います。
1つ目に、学生が学校のそういう教育課程の一環で、労働者の現場を通して労働につい て学んでちゃんと連帯に貢献する、そういう所を見て、私は非常に感動したんですよ。日 本でもやっぱりそういう労働について学ぶというのは、労働と大学、労働と授業みたいな 本当に形の上で、教科書に全然載ってないようなことを、労働者の現状とはかけ離れてい るという、そういう所しか私は知らないので。そういう現実とは対照的に、学生の方から 労働者の闘争現場に入っていくと。そういう連帯のあり方というのは、私は日本の労働者 もこれは学んでいかなければいけないんじゃないかと思いました。
2つ目なんですが、旭支会の労働者のこの七十数分の中で結構出てたのは、いろんな被 解雇者が出て、多くの労働者が闘争現場を訪問して激励し合っているということなんです ね。これはもうすごい連帯うらやましいという提起もあったんですけど、これは私も同じ ことを思ってまして、やっぱりユニオンとかでもいろんな労働者がいるんですけど、なか なかお互いの闘争現場に行ったり、職場を行き来するということはあんまり、なかなかそ ういう大々的な闘争のあった時ぐらいしかそういう、あんまり多いとは言えないと思うん ですよ。そういう本当にお互いの闘っている場に入って励まし合うという、そういうとこ ろをもっとやっていきたいなというふうに思いました。
最後3点目なんですけど、結構この韓国の労働者のなんかすごいいいなと思うのは、家 族の話が出るんですよ。その中身が、本当に私もすごい経験があるんですよ、家族問題な んですよ、労働運動やっていくと。常に理解されない。もうあきらめて、解雇になったら 次の職場を探す。そういうことばかり繰り返していると、労働者勝てないんだというふう に思いながらも、やっぱり一方で納得できない自分がいるんですけど、本当に彼らはつら いことが毎日毎日ずっとあったと思うんですよ。1日に6人も死んでいく、こういうこと がずっと続いていくと。そういう中でも、本当に起こっていることはシビアなんですよ、 そういうことがあるにもかかわらず、ああやって闘いを引き継いでいくという、このドキュ メンタリーの映画を日本でも労働者が作れるようなそういう所に持っていきたいというの はもちろんあるんですけど、まずはやっぱり彼らがどういう闘いをやっているかというこ とを、私たちがちゃんと学んで、ちゃんと職場で実践していくということが大切ではない かなというふうに思いました。
さっき言われた、もっともっと外に出ていくと。私も職場の中を見るとやっぱり おもしろくないと、その前提として仕事がおもしろいと思ったことは実はない、やらされ ていると。そういうことで、労働者が主体性を発揮できるような運動にしていくというこ とがやっぱり重要だと思います。今日はこういう機会をありがとうございました。
【B】映画は初めて見たんですけど、映画の最初の方で、火力発電所の事故で死 んでしまったキムヨンギュンさんのお母さんが、あれ相手は政府の労働者かね、なんか 制服を着てる姿の男の人に向かって、これは国がシステムとしてどんどん非正規にしていっ たと、で、安全対策なんか何もとってないのは分かってて、それを放置していたじゃない かということをまず詰め寄ってたと思うんです。た だ子どもが死んだ悲しみだけじゃなくて、ちゃんとなんでこんなことになったのかという 所で闘おうとしているなと思って、で、映画の最後の方で、1周忌の場面じゃないかと思 うんですけれど、政治と企業がグルになっちょると、グルになって持たざる庶民を殺して るじゃないかと。だから、持たざる者が闘うしかない、この世の中変えるしかないんだと いう決意を述べてたんですよね。これ本当にものすごい闘いをしてるなと思って、ちょっ と感動しました。
もう一つ同時に、そういう非正規で命の危険にさらされるような働き方をさせられてい る、亡くなったそのお子さんと同じ職場の同僚たちのそのまた親御さんという人たちもい らっしゃるわけでしょう。その人たちが、彼女の訴えをどういうふうに受け止めたのかな と、私はそこにちょっと関心があったんです。やっぱり仕事がこれしかないんだからしょ うがないみたいな感じで黙ってたら、本当にもう殺されてしまうという、そういう思いを 持って一緒に闘っていけるような運動ができたらいいなというふうに思うんです。やっぱ り労働災害とか過労死とか、その家族の人たちとの関係というものを労働運動がどう作っ ていくかというのは非常に重要かなと思ってます。
受講レポートより
【1】
家族の話、家族ぐるみのたたかい。この団結をくずさないためのたたかいをしっかりして、 労組がかたまっている。いっしょに食事して、踊って、まだまだ、私たちは・・・と思い つつ、国鉄1047名闘争はそうやってきたから長くたたかえたんだなあとか思いました。
チャホノ氏以外は新規雇用しますなどという条件は本当に許せませんが、あたりまえ のように支会は拒否します。資本の手口や考えることは、進歩がないな、と思いました。
【2】AGC闘争については、よく耳にするけれどあまりちゃんと頭に入っていませんでしたが、 映画がわかりやすかったです。超優遇された日本の資本が韓国の労働者を見せしめのよう に切り捨てているのは、本当に植民地あつかいで許せないです。
それでも長期にわたる闘いを明るさを失なわず続けていることにとても感銘を受けます。 日本の労働者が見習うべきところだと感じます。前に「人として生きよう」とい映画を見 たとき、見おわって逆につらいような気持になったのを思いだしました。``苦しくても耐え 続けることが素晴らしいこと''と言われているみたいな、そこの印象だけが残ってしまっ て・・・。団結して闘うことは、よろこびであり楽しいことなのだと、労組は労働者をは げます存在であってほしいです。
【3】支会長だけでなく現場組合員が、家族のことなど悩みを卒直に言って、生き生き語りなが ら、連帯しながら、解放的に闘っている姿がすばらしい。楽しそうだなと思いました。全教組も法外労組あつかい。旭非正規職支会も和解の内容は組合代表であるチャホノ支会 長は雇用しない(労組を絶対認めない)というもので許せない。日本でも関生のようなまっ とうな労働組合活動が犯罪とされている。でもそれは労働組合が資本にとって最も恐れる 存在ということ。韓国でも日本でも同じ闘いをしているのだと思うし、資本、それを支え る国家とは非和解だと改めて感じました。
【4】旭非正規職支会の闘いについて、組合員の人間味が出された良い映画だと感じました。ど んなことを考えながら闘っているということが、組合員同志でも共有されているのだと思 います。非正規職撤廃という闘いを全労働者の普遍的な闘いにして行く内容を持っている のは、分断に対して徹底的に闘っているからではないでしょうか。 非正規の闘いについて、討論できたのは良かったと思います。
【5】労働者のプライド(ほこり)をかけて闘っている姿に胸が熱くなりました。インタビューの 中で、初めて現場でシュプレヒコールをあげた初日が忘れられないとありました。管理職が 何も言えなかったという経験をした 〜 それは労働者に力がある、解放されたという実感 ができたんだと思いました。その経験が労働者には必要で、以前(昔)ストをした人達の話 を聞くと、本当にうれしそうに「やったよー!」「おもしろかった」と言われます。
解雇をもってしても、それを上まわる、つき抜けるような解放感をもてたら闘う労働組合 はよみがえるのではと思えました。
【6】「持たざるものが社会を変えていくしかない」というお母さん(キム・ミスクさん)の言葉 が胸にせまった。
普通の労働者が闘う中で仲間を拡げながら、家族関係ものりこえながら、日常として闘争 を継続する姿がリアルに伝わってきた。 非正規労働者が社会を変革する主体であるという事が、韓国の闘いを通じて実感できる映画 であった。
【7】映画で印象に残ったのは、冒頭でキム・ヨンギュンさんの母親キム・ミスクさんが雇用労 働部長官を前に、国を弾劾している場面です。この弾劾を黙って聞き、最後に「二度とこ うした事故が起こらないようにします」と言わざるをえなかった。その場では完全に力関 係が変っていたように思います。そういう力関係の転換を日常の闘いを通してつくり上げ ていく中で、労働運動をよみがえらせていくことができるのではないかと感じました。
また旭非正規職支会のそれぞれの労働者の発言、生き様を見て、動労千葉の分割・民営化 に抗してストに立ち上がっていく頃の闘いとオーバーラップする印象も受けました。新自 由主義の下で、闘い抜いていくこの日韓の闘いとその結合は重要だと思います。正規・非 正規の分断を打ち破り、全世界の労働者の闘いで新自由主義を打倒していきましょう。 そのために労働運動・労働組合の再生が必要で、日常不断に職場で闘い抜くことの重要性 を改めて感じました。
【8】非正規職撤廃の闘いなど、厳しい現状の中でも労働者が生き生きと闘い抜く姿に感銘を受 けました。コロナ禍で往来困難ですが、国際連帯の意義と重要性を改めて思います。
AGC資本がチャホノ支会長を除いて正規雇用する、民主労総と金属労組に発展資金を出す と提案したのはまさに分断であり許せません。
旭支会が自分たちで闘うだけでなく、闘争現場にかけつけて、クモのように網目を張りめ ぐらすのは「労働者の闘いの原点」でもあり、世界の労働者の心を捉えると思います。
【9】非正規職撤廃は、階級闘争の重要テーマであることを上映学習会を通じて確認した。
世界的な新自由主義攻撃は、労働者の権利をどんどんふみつけ、より強搾取と労働者 を人間扱いしない、とりわけ、もうからない、安全、衛生、教育や、労働の環境を劣悪に していく。
だからこそ、資本、権力と闘う労組の建設とその連帯として労組ネットワークが死活的であ ることを実感した。
企業に殺されたキム・ヨンギュンさんの無念を、その母が「国の政治よって当たり前のよ うに命が奪われていきます。一人一人の命がどれだけ大切ですか。政治と企業のグルになっ て持たざる庶民を殺しています。結局は持たざる人が変えなくはてはなりません。命をふ みにじり、権利を奪う資本家たちを許せません!」というのは、全ての労働者階級の思いだと感じ た。
【10】最近テレビのCMでよくAGCが流れています。わざわざ海外に工場をつくるのは、より安く、 より好都合に事業を展開するため、低賃金で、労働法などの規制から自由になるため、そ のことが映画からよくわかりました。かつての植民地支配に至った歴史と何が違うのでしょ うか。
一方で、非正規労働者が自らの手で、労働組合を結成し団結を守り抜きながら、人間らし く生きられる社会を目指して闘っておられる姿には、とても心が晴ればれするものを感じ ました。実際には、民主労組を非正規職中心の組合へ現場からつくり変えていくという過 程とも重なったと思いますが、その底力は、高空篭城や門前闘争など粘り強い現場での闘 いであるということがわかりました。
日本でも非正規が増大し、賃金や労働時間、労働条件などが悪化していますが、今日の映 画をみて「決して絶望ではない」と思えました。
【11】初めて視聴したかんそう を何点か述べます。
一つ目に、学生が教育過程の一環で旭支会の労働者との連帯を表明した点です。日本でも 大学の労働法の授業で「労働」を客観的に論じられる程度のもが大半であり、とても労働 者の現状を伝えきれていないのが現実です。それとは対照的に、学生が労働者の闘争現場 に入る姿勢は、日本の労働者も学ぶべき連帯の在り方だと思います。その連帯への反動と しての、旭による学生への損害賠償請求は、絶対に許しません。
二つ目に、旭支会の労働者が、多くの労働者の闘争現場を訪れて激励し合っている点です。 ユニオンにも様々な業種の組合員がいますが、日常的にお互い現場(職場という意味でも闘 争現場という意味でも)を行き来する機会は、多いとは言えない状況です。その様な現状 から日本の労働者も一歩、踏み出して大きな闘いにしていく気概を持たなければと切に思 います。
三つ目に、闘争に立ち上がった労働者の表情が非常に生き生きとしている点です。家族と の関係から過酷な労働現場の状況に至るまで、非常に辛い経験をしているのにもかかわら ず、闘争を続けようと奮い立っていることです。最も労働者の現状を示しているテーマで あり、今後も重要な論点になりうると思います。
年間カリキュラムを変更しました
- 第6回講座(2021年12月18日(土)
- 「女性解放・人間解放(仮)」 → 「動労千葉労働運動から学ぶ(仮)」へ変更
- 第7回講座(2022年2月26日(土)
- 「動労千葉労働運動から学ぶ(仮)」 → 「女性解放・人間解放(仮)」へ変更
第2回講座を行いました
講座のレジュメ
旭非正規職支援共闘会議関連資料
旭非正規職支会支援共闘会議ブログへ
「本社が不法派遣の責任を取れ」
2021年5月7付ビラ。在韓日本大使館への申し入れ文書
チャホノ支会長の意見陳述書
旭旭非正規職支会支援共闘会議更新申込書
映画「あなたは蜘蛛を見ましたか」の字幕翻訳
その他の資料
ダウンロードはここから
第1回講座を行いました
予定通り5月29日、第1回講座を30名の仲間の参加を得て開催しました。『資本論』の映像を見て、参加者の活発な討論が行なわれ大成功でした。
次回講座は、6月19日(土)です
公開講座 映画上映会
「あなたは蜘蛛を見たことがありますか」
(監督:キムサンペ、上映時間:73分)日本企業・旭硝子(現・AGC)の韓国工場で働いていた非正規職労働者たちが、あまりに非人間的で劣悪な職場を変えようと2015年春、労働組合を結成した。しかし11カ月後、メール1本で解雇される。「解雇撤回! 正規職として職場に戻せ!」---旭非正規職支会の22人の組合員の闘いは7年目に入っている。
彼らは非正規職労働者が闘っていると聞くとどこにでも駆け付け、連帯の蜘蛛の巣を張る。旭非正規職労働者について行けば、韓国の非正規職労働者の現実を見ることができる。この映画は、旭非正規職労働者が世の中を変える話だ。
- 開催日時 : 2021年6月19日(土) 15時15分開場 − 15時半開始
- 会 場 : まちづくり市民交流プラザ
- 入場無料
押さえておきたい概念および記述
- 第14期ひろしま労働学校第1回「マルクス『資本論』の映像を見て討論」資料③
目 次
- (1) 唯物史観とは? …
- (2) 価値法則とは? …
- (3) 物象化と物神化 …
- (4) 物質代謝 …
- (5) 『資本論』での共産主義に関連する記述 …
(1)唯物史観とは?
①唯物論的な歴史の見方=唯物論的歴史観}
唯物史観とはまずもって、歴史の唯物論的把握であり、唯物論的な歴史の見方=唯物論的 歴史観であり、マルクスの階級的立場を哲学的に歴史観として表現したもので す。それは『資本論』における経済学研究、すなわちブルジョア経済学(古典派経済学)を 批判し、科学的に整理していくときの「導きの糸」となりました(『資本論』の副題は 「経済学批判」です)。 しかしそれは、中身と切り離された単なる見方ではなく、史的唯物論(イメー ジとしては、どちらかというと歴史そのものに即したもの)としての一定の内容を伴って はじめて成立する。また、あらかじめ確立している唯物論を歴史の分野にも適用したとい うものでもない。むしろマルクスにおいては、唯物論(=弁証法的唯物論)が同時に唯物 史観として確立されるのです。労働組合運動の前進のために −『資本論』を学ぼう
- 第14期ひろしま労働学校第1回「マルクス『資本論』の映像を見て討論」資料②
〔以下、本資料での『資本論』からに引用は国民文庫版(岡崎次郎訳)を利用し、分冊番号 とページ数のみを示します。なお、第1~3分冊が第1巻、第4~5分冊が第2巻、第6~8分冊 が第3巻です。また、映像からの引用は、コメンテーターが要約した部分もあります。〕
なぜ、今『資本論』なのか?
コメンテーターによる『資本論』の紹介
- 第14期ひろしま労働学校第1回「マルクス『資本論』の映像を見て討論」資料①
(1)『資本論』全3巻の篇別構成第1巻 資本の生産過程
第1篇 商品と貨幣
第2篇 貨幣の資本への転化
第3篇 絶対的剰余価値の生産
第4篇 相対的剰余価値の生産
第5篇 絶対的および相対的剰余価値の生産
第6篇 労賃
第7篇 資本の蓄積過程
第2巻 資本の流通過程
第1篇 資本の諸変態とその循環
第2篇 資本の回転
第3篇 社会的総資本の再生産と流通
第3巻 資本主義的生産の総過程
第1篇 剰余価値の利潤への転化と剰余価値率の利潤率への転化
第2篇 利潤の平均利潤への転化
第3篇 利潤率の傾向的低下の法則
第4篇 商品資本および貨幣資本の商品取引資本および貨幣取引資本への転化(商人資本)
第5篇 利子と企業者利得への利潤の分裂 利子生み資本
第6篇 超過利潤の地代への転化
第7篇 諸収入とそれらの源泉
〔上記のタイトル表記は国民文庫版(岡崎次郎訳)のもの。〕
(2)『資本論』全3巻の構造(ごく大まかに)
①第1巻「資本の生産過程」(1867年刊行)
25の章からなる7つの篇で構成され、剰余価値論を中心として一つのまとまりを持っている。
『資本論』全体の土台とも言える第1~2篇では、「商品とは何か」ということから入り、価値論、商品流通と貨幣、貨幣の資本への転化を論じる。
そして第3~5篇では、労働力商品化すなわち〈資本家と労働者の搾取関係〉を基礎とした剰余価値の生産(絶対的剰余価値の生産と相対的剰余価値の生産)の解明を行う。
その上で第6篇では、労賃(賃金)という範疇(はんちゅう=カテゴリー)は、資本の生産過程の要(かなめ)をなす労働力の商品化、剰余価値の搾取を覆い隠す形態であるということを論じている。
この賃金論をつなぎ目として、第7篇では、生産された剰余価値の資本への転化である「資本の蓄積過程」(蓄積論)が論じられる。資本の蓄積運動の解明は、資本の再生産過程〔繰り返しの生産過程〕そのものの解明であるから、この第7篇から第2巻、第3巻の全体が資本の蓄積過程論をなしていると言える。
②第2巻「資本の流通過程」(1885年刊行、83年のマルクス死後、エンゲルスが編集)
21の章からなる3つの篇で構成され、資本の流通過程そのものが研究対象をなす。とはいえ、第2巻全体は、資本の蓄積過程=資本の再生産過程を、資本の生産過程と資本の流通過程の統一としてとらえようとするものである。
6つの章からなる第1篇の第1~4章では、生産と流通の両過程を通して循環的に運動している資本の形態変化(=変態運動)そのものを研究する。この部分は、価値の自己運動体としてある資本の基本的性格をつかむ上で非常に重要である。
この4つの章を踏まえ、第5~6章では、資本の運動に不可欠な流通期間と流通費用について論じる。
第2篇では、資本の循環運動を周期的な過程として取り扱い、資本の回転期間と呼ばれる資本の循環周期を規定する要因、また資本の回転期間が、剰余価値の形成や投下資本の大きさに及ぼす影響を論じる。
そして第1~2篇を前提に、第3篇において、再生産表式に総括される社会的総資本の再生産過程論を通して、資本の蓄積過程=資本の再生産過程は、資本の生産過程(直接的生産過程)と流通過程の統一であるということを明らかにする。
なお再生産表式は、社会的総資本の流通の絡み合いの中で実現される資本主義社会の物質的再生産過程が、労働を実体とする客観的な価値関係により規制されていること、すなわち価値法則(資本主義の経済法則)を2階級(資本家階級と労働者階級)、2大部門(生産手段生産部門と消費手段生産部門)間の関係において、人間生活の物質的生産・再生産という根本の次元から論証している。
この価値法則そのものは、労働力の商品化を基軸とした資本主義社会における物的生産の均衡とそのための社会的総労働の配分を、商品価格の変動を通した生産過程への法則的規制の形で実現するものであり、資本主義が一社会として成立している絶対的根拠を明らかにしている。
5月29日 第14期ひろしま労働学校開講
受講申込
カリキュラム
- 第1回講座 マルクス「資本論」の映像を見て討論
- コメンテーター:高橋専任講師
- 5月29日(土)15時15分開場 --- まちづくり市民交流プラザ
- 第2回公開講座 映画上映会「あなたは蜘蛛を見たことがありますか」
(監督:キムサンペ、上映時間:73分) - コメンテーター: 広島連帯ユニオン国際部・宮原亮
- 6月19日(土)15時15分開場 --- まちづくり市民交流プラザ
- 第3回〜第5回講座 マルクス「賃金・価格・利潤」
- 講師:高橋専任講師
- 第3回 8月28日(土)、第4回 9月25日(土)、第5回 11月20日(土)
- 第6回講座 女性解放・人間解放(仮)
- 講師:未定
- 12月18日(土)
- 第7回講座 動労千葉労働運動から学ぶ(仮)
- 講師:未定
- 2月26日(土)
講座の進め方
- 講師からの提案 … 40分
- 休憩 … 10分
- 講師からの提案 … 40分
- 休憩 … 10分
- 討論 … 80分
- 感想文作成 … 30分
受講料
- 年間一括受講料 … 2,500円(学生 1,500円)
- 1回毎の受講料 … 500円(学生、障害者 300円)
開催日時
- 講座の開催は全講座土曜日の15時半から19時までです。
会場について
- 第1回と2回は、まちづくり市民交流プラザです。
- 第3回以降は基本的に二葉会館ですが、会場確保との関係で変更となる場合があります。
2021年度広島県労働組合交流センター定期総会で労働学校の方針を確立
定期総会議案書「(2)労組交流センターの組織拡大を勝ち取ろう」より
労働学校を重視しよう
階級的労働運動の路線はマルクス主義の思想です。資本主義社会において労働者階級と資本家階級の間の階級対立は非和解であり、 すべては力関係で決まります。労働者が社会の主人公であることに誇りを持ち、「万国の労働者は団結して共通の敵と闘おう」と 排外主義・愛国主義と闘う立場を確立していきましょう。
多数派になるためには自分たちがどんな路線をもちそれが本当に労働者を獲得できる路線かが重要です。理論的な研鑽を積み、成功例 にも失敗例にも実践の中から謙虚に学んでいきましょう。交流センター変革の重要な柱として労働学校を再度位置づけ、階級的労働運動 を担う青年を層として作り出しましょう。
- 総会で訴える元木事務局員(左)と高橋専任講師(右)